身近な資産運用から見る損益分岐点。。。

2015年01月05日

身近な資産運用から見る損益分岐点。。。

 

今日から仕事始めって方多いと思います、スマイルコンサルタントも今日からなんですが私は3日から出てきてなんやかんやとしてました、そうなんです... メリハリが付けられん奴なんですョ... けどしかし、世間一般に仕事始めです正月休みと街の雰囲気も違い街にも活気がある様な気がしますよね、2015年本格始動しました。 そして今日はこんなお話です。

 

スマイルコンサルタントではメールでのコンサルティングもしておりまして、昨年の夏ごろからご相談をいただくお客様がおられます県外にお住まいなんですがお仕事の都合で昔々彦根にお住まいだったそうです、今回のご相談は、彦根在住時に自宅建築用に買っておいた土地の件でした。本日ブログ掲載のご了解を頂きましたので少々具体的に書きたいと思います。今回のご相談は投資や投機が目的で無く手持ちの不動産の運用相談です、その土地は中薮町にありまして面積56坪地元業者が宅地分譲した時に知人に勧められ購入、その約3年後転勤になり県外へそれ以後彦根に戻ることなく更地のまま約29年経過、現在自宅は持家で3人おられる子供さん(1人彦根在住)も全員持家です。昨年来よりアパート経営を始め売却や定期借地、駐車場経営等々ご提案をさせて頂きました。年末年始に家族会議の結果、駐車場経営をする運びとなり先日メールでご連絡を頂きました。

 

アパート経営までは考えなくても... 毎年の税金もバカにならんし... と考えると駐車場って考えるケースよくあります、駐車場にしておけば他の事業への転用や売却となった時も比較的スムーズに事が運びます。なのでこれを具体的に考えるとこうなります、これは昨年実際にお客様に提案した内容の一部です、お考えの方ありましたら参考にして下さい。。。

 

先ず一番に考えるべきは収入と支出です、損益分岐点(収入支出が同じになる売上高、いわゆるトントンになる売上高)を考えます。

 

物件内容:場所 彦根市中薮町 面積185.15㎡ 貸出区画6区画

固定資産税評価額:¥7,604,214- 

固定資産税課税標準額・都市計画税課税標準額:¥5,113,178-

【支出】

①固定資産税(1.4%)・都市計画税(0.3%):¥86,923-(年間) *都市計画税0.3%は彦根市の場合です市町村により異なります

②管理費事務手続費(予測):¥30,000-(年間)

③初期設備投資費:今回のお客様は区画割をロープで行う為ゼロでしたが、通常は舗装費、車止、ライン費で約80万円から約100万円くらい要します。

【収入】(満車の場合)

①月極駐車料金(年間):¥3,000-/台×6区画×12ヶ月=¥216,000-

 

≪駐車場1台当たりの必要経費≫支出の①+②¥116,923-÷6台÷12ヶ月=¥1,624-

≪駐車場1台当たりの利益≫収入金額/月¥3,000--必要経費/月¥1,624-=利益/月¥1,376-

≪利益率≫¥1,376-÷¥3,000-=0.458≒45.8%

 

これらを考えると、駐車場の稼働率が54.2%以下になると赤字経営となります、駐車台数ですと3台では¥8,923-の赤字となり4台で¥27,077-の黒字となります。

 

次に考えるのが駐車場の需要です、上記の場合は月4台確保が出来ないと赤字です。先ずは現場です、近隣調査です、中薮町といえば住宅地でありアパートも一部ありますがほぼほぼ一戸建住宅です、彦根駅や南彦根駅も遠く自動車通勤世帯が多い地域でもあります。半径150メートル(月極駐車場徒歩圏の限界として)を地図に落とし込んで現状の駐車場と各家の駐車場台数調査です、芹川より北とベルロードより東及び平田川より南を省くと月極駐車場は2件、家は約310件各家の駐車可能台数は1台が81軒、2台が179軒、2台以上が39軒、なしが11軒でした。駐車場自体が無い家や1台の家が100軒弱ありました、古くは33年ほど前に分譲開始でしたのでなんか当時のマイカー事情が伺えますよね。月極駐車場は2件あり台数は8台10台で合計18台、事情を説明し聞いてみると8台の方は空き1台、10台の方は空きが2台で1月末に1台空きが出るとの事、位置関係を住宅地図に書き込んでお客様に報告となりました。

 

今回のご依頼は、税金だけでも賄いたいというご意向や将来的には彦根在住のお孫さんの為に土地を残しておきたいという思いもあり駐車場経営となりました。駐車場経営をする目的が何かで答えや考え方は変わってくると思いますが規模がもっと大きくてもこの計算式は当てはまるので参考にしてみて下さい。駐車場経営は比較的少額での設備投資で可能ですが安易に考えずにデータを収集して下さいすると見えてくるものもあるかもしれません。又、彦根市内の住宅地では難しいですが条件が合えばタイムスや三井のリパークなど時間貸し駐車場経営会社への一括貸しも収益が上がるかもしれません。

 

最後になりますが、駐車場経営は自用地の評価となりますので相続税の節税対策には効果がありませんのでご注意ください。又、既存の建物を解体したり農地を転用しての駐車場経営は固定資産税の税額が上昇しますのでお気を付け下さい。